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就農ブームというけれど…

特集ワイド:就農ブームというけれど… 食べていくには…「覚悟が必要だ」

 雇用不安が広がる中、就農ブームだという。就農相談をする窓口には数多くの相談が寄せられている。果たして農業は、雇用の単なる受け皿としての側面だけでやっていける職業なのだろうか。

 ・天候に左右される作業

 ・定時で終わらず給料15万円も

 「こんなに多くの人が集まることは少ないんですよ」。担当者は笑った。東京・池袋のサンシャインシティの会議室で開かれた「北海道新規就農農業体験セミナー」。社団法人北海道農業担い手育成センターの主催で、午後6時半の開始に16人が集まった。参加者は、短大で園芸を専攻して現在は就職活動中の女子学生(19)や、酪農に興味がある農業の男性(20)、北海道での農業に長くあこがれるコンビニエンスストアの女性店員(28)などだ。農業にもともと関心が高い人が多い。

 就農への相談は増えている。全国の市町村の農業委員会が集まった全国農業会議所が運営する全国新規就農相談センター(東京都千代田区)への相談は、政府が緊急雇用対策を打ち出した昨年12月24日以降、面談やメールなどで1092件(2月25日まで)に達した。03年度以降の各年度の平均相談数が2877件だったことと比べると、急増ぶりが分かる。同センターの担当者は「職と住居を同時に求める人が、社宅など住居の有無を問い合わせるケースが多い。しかし、『給与は15万円前後が多い』と伝えると安さにしり込みする人もいる」と話す。一方、農業法人など186社が535人の従業員を募集中だ。

 政府は、金融危機の緊急雇用対策として農林水産業で5000人の雇用創出策を打ち出した。新規に採用した農業生産法人や農家などには1人あたり1カ月で最大9万7000円を支援する。

 農業の現場はどうなっているのか。福島県南相馬市を訪ねた。

 JR常磐線浪江駅から車で10分。山林を切り開いた3万平方メートルの敷地に大型のビニールハウスなどが建ち並ぶ。有限会社「フラワーランド」はここで、野菜苗や花などの栽培を大規模にしている。

 同市原町区の菅頭(かんとう)隆織さん(29)は2月10日から、ここで働き始めた。愛知県で自動車工場の期間工などをした後、地元で農業を始めようと福島県の公的機関から紹介を受けた。「農業は天候に大きく左右され、資金繰りなども簡単ではないと思う。だけど、自分らしさを発揮できるし、アイデア次第でいい農業ができるのではないか」。ただ、菅頭さんの希望は農業でも、野菜苗ではなく、水稲だった。水稲を学ぶために栃木県にあるNPO法人に3月8日に移る。

 菅頭さんを受け入れた「フラワーランド」社長、原伯行さん(53)に聞いた。同社ではこの1年、従業員4人が辞めた。20~50代の男女で、「作業中に先輩から注意されプライドを傷つけられた」「農業がこんなに難しいとは思わなかった」などが退社理由だ。

 同社は現在、正社員4人、パート9人。栽培した野菜の苗などはホームセンターや市場に出荷する。従業員がしていた作業は、大きな実がなるキュウリの上部と、根の吸水力が強いカボチャの接ぎ木などだ。キュウリは家庭菜園を楽しむ人には人気で、通常のものより3倍の値段で売れる。細いピンで取り除いたカボチャの芽の部分に、キュウリの茎を挿す地道な作業の成果だ。また、小さな植物用ポット(鉢入れ)に苗を入れる作業もある。1時間で約500~600個の苗を入れるのが作業の基準だ。1分に10個ほどで、効率的な作業が求められる。また、大型ハウスの温度、湿度管理を誤ると植物が一夜で枯れてしまう。

 「人がやれない、やらない仕事をしなければ会社は生き残ることはできない。『種をまいて、大きな実がなって楽しいですね』という農業だけではもちろん通用しない」。原さんはこう話す。

 人手不足の農業と言われながらも、農業生産法人に解雇されたケースもある。埼玉県川越市の無職、綱島英明さん(25)だ。「埼玉県農業大学校」(同県鶴ケ島市)を卒業後、北海道富良野市の農業生産法人に社員として就職した。しかし昨年11月、不況や作目の多角化の影響で同法人の経営が悪化。社長から「他の社員は地元に住み、家族もある。綱島君は独身で若く、経験もあるので、次の職に就きやすいだろう。辞めてほしい」と言われ、退社せざるを得なかった。

 富良野ではタマネギやニンジンなど畑作をしていた。給与は額面15万円で、家賃1万円の社宅で生活。農繁期は午前5時から午前0時まで働くこともあった。「仮に明日雨が降って収穫できる作物が傷むと分かっていたら、どうします? 精魂込めて育てた作物なのに……。定時で仕事が終わるわけがありません」と話す。作目の違いもあるだろうが、農業の求人広告に勤務時間が「午前7時半~午後5時」などと書いてあるのが不満だ。「実態をきちんと伝えた方がやる気のある人が集まると思うんですけどね」

 農業の魅力も語った。「農作物は手をかけた分だけ手応えを感じることができる。ただの畑でも一日として同じ景色はない。日々刻々と変わっていく景色が最大の魅力です」。綱島さんは農業生産法人の社員という「農業サラリーマン」ではなく、自らで農業を始めるべく北海道を近く訪ねる。

 雇用不安の中での就農ブームをどうとらえればいいのだろうか。梶井功・東京農工大名誉教授(農政学)は「農業生産法人が臨時の働き手を雇うのはいいが、長期的な農業振興策ではないことが問題だと思う。政府は食料自給率を10年後に50%にすると掲げているにもかかわらず、今回の雇用はその場しのぎの話で、若手就農者の長期育成につながるかは疑問」と指摘する。

 農業の就業人口は減り、高齢化は進む。農業就業人口は、ピーク時の1960年の1454万人に比べると、2008年には299万人と21%。同年の就業人口に占める65歳以上の割合は60%だ。

 南相馬市の原さんも、再び北海道で働く綱島さんも同じ言葉が口をついて出た。「農業には覚悟必要だ」

特集ワイド:就農ブームというけれど… 食べていくには…「覚悟が必要だ」

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2009/03/08(Sun) 09:37:40 |  富良野・美瑛サーチ
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