「ごますり器」より「ごますり器」
今朝も胡麻をすった。胡麻をする、とは人にこびたりする時にも使われる言葉。落語家がやるように、手のひらに軽く握ったこぶしをすり合わせる仕草。そんな感じで、ちょこっと胡麻がすれる小さな木製のごますり器を、知り合いからいただきました。
胡麻は最高の薬味。それと一年中ミョウガもあればいうことはない。脇役にも主役にもなれる胡麻力がある。炒ってるそばから、更にはすっている間中、何とも云えない香ばしさ。想像するだけで良〜い香り、してきませんか。
ごますり器の中で、こすれ合う音と感触が手に伝わり、すり加減は使い道次第。すり鉢とすりこ木を出すほどのない時には便利。ついつい買ってしまっていた、すりごま、と書かれた袋からぱっぱとふりかけていた日々とは、こんりんざいおさらばです。
さて、このごますり器。埼玉県川越市にある「そうび木のアトリエ」の木工職人が、手間ひまかけて製造している。木をくり抜いて磨いて1つ1つ目で見ながら手で作っている。手のひらのツボで押して回して健康にもいい、とのこと。
知人は娘達の下宿先へ、嫁入り先へとごますり器を持たせました。そして私にまで。料理上手な母親としてのおもいが使ってみてわかった。一生使える道具になるために、宣伝文句などいらない。使うごとに手に馴染んでいき、胡麻の油がしみ出て艶が出ればこっちのもん。という気さえする。
適量の使う分だけ、焙烙(ほうろく)で胡麻を炒ってからする。まずは次男の朝の楽しみ、卵かけご飯にひとふり。この時次男は、「ぼくの神聖な卵かけご飯、黒胡麻なんかで汚さないで〜」とばかりに、お茶碗を持って逃げ回り、激怒します。が、もちろん、私の勝ち。胡麻にはカルシウムや鉄分がたっぷり。食べれば次男のイライラも収まります。
お米は美味しいし、牛肉は秋こそ旨いと聞いたことがある。秋刀魚や鯖も今が旬。味覚の秋は食欲の秋へといざなう。香り豊かで色のきれいな食材が食卓を飾ります。かつお節をけずり、大根をおろし、胡麻をすり、子どもは傍らで、夕飯を待つのです。





